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ベルリンの至宝展 [VISUAL&ARTS…観る。]

東京国立博物館(平成館) 2005.4.5~6.12

中宮寺の菩薩半跏像を観に行ったらちょうど前週に始まっていたので、一も二もなく目的変更。世界遺産であるベルリン「博物館島」の5つの博物館より出品された数々の歴史的芸術品は、まさに「本物」の迫力で、今までテキストの写真でしか見ることのできなかった逸品ぞろいであった。
一昨年だったかの大英博物館展は都合が付かず、また、あまりの混みように腰が引けて行くことができなかったので比べるよしもないが、プロイセン時代のドイツが威信を賭けて蒐集した美のエッセンスをそこそこ満喫できた。
それにしても「博物館島」とは。寡聞にして知らず、その概要にたいそうびっくりした。ちょうど大戦後の東西分割で東ドイツ側となっていたからかもしれないが、島というか中州をそのまま使って1830年から100年かけて完成したという一大事業である。こういう仕事は国家が腰を据えてかからねば到底できない。しかしまぁ、ここ上野が似たようなものだから、日本だって卑屈になることもあるまい。

大英博物館にも言えることだが、古代エジプト等の歴史的美術品が収蔵されていることにやはり違和感がある。言ってみれば、国家による略奪品だと思うからだ。しかし、それにより保存され研究が進み、あまつさえ一般市民がそれに触れることを享受できるというのは感謝すべきことではあるのだが。ともあれ、なかなか現地で現物にお目に掛かることの望めない貧乏人にはこうやって身近で公開されるのは嬉しいことだ。ボッティチェリのヴィーナスなんてのを観ながら、それなりに至福を覚えたり。順を追っていくとドイツ・ロマン派へ至る。そうなるともう心は象徴派の作品をみたくて堪らなくなる。うん、次は「ベルギー象徴派展」@Bunkamuraだー!と息巻いてみる。


ところで、今回の展示のテーマは「聖なるもの」ということで、膨大なコレクションの中からエッセンス的に選ばれたもの。改めてカタログを読みつつ、この展覧会の意義を再確認する。実際に観覧しているときには展示に圧倒されたり人混みにうんざりしてゆっくりキャプションを理解して鑑賞することができないので、カタログは必須である。主催者側の意図や学芸員の造詣に触れることで、ただモノだけをつらーっと眺めているより数倍楽しめる。展示では、その作品の放つオーラをしっかり受け止め、後から解説を読み頭の中の作品イメージにディテールを追加する、最近はもっぱらこんな感じで展覧会を楽しんでいる。そう考えるとカタログなんて安いものなのだが…このところ観たい展覧会等が多すぎて、財政逼迫中。くぅ。

あ、ちゃんと菩薩様にもお逢いしてまいりましたw


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