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「納涼茂山狂言祭 2006」東京公演 第1日夜公演 [VISUAL&ARTS…観る。]

東京・千駄ヶ谷 国立能楽堂 9月4日 18:30

前々からきちんと観たかった狂言の舞台。いや、きちんと、と言うか、今まで何度か観ているのがイベントとかホールでとかだったので。
国立能楽堂は初めての場所だ。何かとても敷居が高かった気がする。
今回のチケットはかなり前に購入した。
「お豆腐狂言」を標榜する庶民派一派、茂山家。
能ほど格式ばらず、歌舞伎ほど下世話でない、そんな狂言を伝統を守りつつ柔らかくノリ良く現代人に提供してくれる。もともと狂言は、能の舞台と対で演じられ、観客の心を掴む喜劇である。諧謔を旨とする「お笑い」。伝統芸能としての仕草・装束、だが能面を付けない役者が表情豊かに演じる演目は演芸として成立した当時より繰り返し演じられた日本中世の庶民の泣き笑い譚であり、それはまったく現代人の感覚と変わらない、ということを教えてくれる。

今回の舞台は毎年茂山家がファンサービスのような形で演目のリクエストを受け付け、それによって決まった演目を、大阪で昼夜3回、東京で昼夜3回、全て演目を替え6回で18の演目を行うもの。この日は東京での最初の公演日。
演じられたのは「蝸牛」「鎌腹」「死神」の3本。元々狂言だけで演目を設定するときはあまりない組み合わせだそうである。前2本は伝統的演目でスラップスティックな笑い。最後の長めの「死神」は新作狂言。先月観た現代劇とも通じるシュールでブラックな笑いを提供する。この「死神」は元が落語の題材で、さらにそれはフランスの小咄なのだそう。笑いのエスプリは古今東西変わらないといったところだろうか。
3本とも気負わず楽しめたが、観客もみな同様、まるで現代喜劇を観るのと同じく声を立てて笑って観ている。違うのはカーテンコールにあたるのものがなく、終わればそれまで、と言うところか。
アンケートを書いて外に出る際、なぜか終了後スポンサーよりワンカップ梅酒をいただいた。(ちなみにアンケートには逸平さんが観たいと書いたミーハーな私である。)惜しむらくは流石に3公演通しで観る時間と資力がないことである。

余談。
初めて能楽堂に行くにあたり、何を着ていこうか迷った。着物でも着て行きたかったが、残暑厳しき折り汗だくになるのは間違いなく、流石に浴衣じゃおかしいので、結局普段着をちょっとおしゃれっぽくしただけのカジュアルな格好で出掛けた。
開場前に能楽堂についたが、高齢な方から若い方まで、意外なほど普通の格好で、会社帰りのサラリーマン・OLがそのままの姿で来ていたり若い女性は私同様片肌出したカジュアルな服装だったりしていたので胸をなで下ろしたのでありました。場内はさほど冷房は効いておらず、持っていった上着(ブラウス)は着ずに片肌だしたままの鑑賞とあいなりました。


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